高血圧によっておこる病気

高血圧によっておこる病気

メモ
高血圧でも自覚症状はありません。ただ、数字に異常がでるだけです。
「加齢に伴って仕方ない変化だ」とか、「血圧がどうであろうと生活に支障がないから大丈夫」と思っている方も少なくありません。
しかし、このような甘い考え方が人生を左右することとなってもおかしくありません。高血圧は、適切なコントロールをすることで健常者と変わらず長生きすることが出来ますが、
コントロール不良の場合は早くに死亡してしまったり、寝たきりですごす・・・といった結末を迎える可能性すらある病気なのです。
では、高血圧を放置しているとどのような危険があるのでしょうか。

大動脈疾患

大動脈は、本来600mmHgの圧力にも耐えられる上部な構造です。しかし、高血圧が持続し、血管の壁にダメージが及び続けると、動脈の壁が脆弱になります。
これによって、ある一部の脆弱になった部分が拡張していきます。全体的に拡張していけばさほど問題は起こらないでしょうが、脆弱した拡張部分には物理的に圧がよりかかることとなります。
それによって生じるのが「大動脈瘤」や「大動脈解離」といった病気です。

「大動脈瘤」はその名の通り、大動脈の1部が膨らみ、こぶを作った状態です。このこぶは、何らかの拍子に破綻するリスクがあります。
大動脈瘤破裂をおこせば、大出血となり、助かる確率は低くなります。
「大動脈解離」は、動脈の壁がはがれて血管の内腔が2つに分かれてしまうことをいいます。進行すると分枝に虚血をきたしたり、壁が破綻して出血をおこします。
どちらも致命的な疾患ですが、定期的な検査によって見つけることが出来ます。

動脈硬化

血管に圧がかかり続けると、酸化ストレスを介して血管壁にプラークが出来やすくなります。これが動脈硬化であり、血管をさらに硬くもろくする原因となります。
動脈硬化は高血圧を進行させ、高血圧は動脈硬化を進行させるという悪循環となっていきます。

脈硬化にはいくつか種類がありますが最も多いのは粥状硬化とよばれる種類です。動脈硬化をおこしている人の血管は、造影すると凸凹しており、まだらに狭窄しています。
また、CTなどの検査では血管壁の石灰化として白く光って見えます。動脈硬化は、すべての脳血管障害の元凶ともいえる怖い状態です。高血圧と絡み合ってさらに予後を悪くします。
「症状がない」ということで、病院を受診していない人も多くいるのが現状です。

動脈硬化が進むと、狭心症・心筋梗塞・一過性脳虚血発作・閉塞性動脈硬化症・腎血管性高血圧・脳出血・脳梗塞・腎障害・網膜症…といった怖ろしい病気を引き起します。
特に頻度が多い、狭心症・心筋梗塞は、血管内腔のプラークが血管を狭窄し、血流を悪くします。また、他の大きな血管からはがれたプラークが比較的小さな血管につまります。
どちらにせよ虚血が起こり、軽ければ狭心症、大きくつまれば壊死をおこして心筋梗塞となります。心筋梗塞は死因となる病気ですし、突発性に起こるため大変恐ろしいです。

脳出血・脳梗塞

脳出血・脳梗塞も頻度の高い病気です。脳の血管が脆弱になった高齢者に多く起こりますが、その発症は血管が与えられたダメージの蓄積によるものでもあります。
脳出血は、血管が脆弱になって破綻したり、脳にできた動脈瘤が破綻して起こります。脳梗塞は、プラークなどがはがれて塞栓して起こることがあります。
どちらも、高血圧による血管障害と動脈硬化による血管狭窄やプラーク形成が原因となりうるものです。

脳卒中と総称されているこれらの病気ですが、死にいたることもありますが、多くは後遺症を残し、生活の質を悪くする病気です。
麻痺が残ったり、高次機能障害といって、言語能力や行動を完成させる能力などさまざまな力が落ち生活が難しくなることも少なくありません。

高血圧性網膜症

網膜は、眼底にあって見えている光を感知する場所です。血圧の上昇で、血管に障害がでると網膜の血管も破綻しやすくなります。
網膜の血管に狭窄がみられたり、出血したりします。高度な網膜症となれば、不可逆性の視野の異常をきたします。

心臓の異常

高血圧で、血管内の圧が高いと、心臓はそれに耐えうる力で収縮する必要があります。体に血液を送る為に収縮しているのは左室とよばれる部屋です。
ここの筋肉が、圧に耐えうるように分厚く変化してきます。これを求心性肥大といい、心電図でも異常をきたします。
心筋の増加に伴い、心臓の酸素需要も増加し、虚血にたえきれなくなります。このため、狭心症や心筋梗塞のリスクをより高めることとなります。

このようにさまざまな血管のイベントおこしうるため、高血圧は適切なコントロールが必要であります。現在発症していなくとも、家族性がみられる高血圧も多いため、
家族に高血圧がいる場合は注意をしましょう。